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2006/11/28 朝刊記事

こだま
娘の旅立ち

 「○○さんと結婚させてください」。一人の青年がわが家を訪ねて来たのは、さわやかな秋晴れの日だった。あれから一年、娘は未知なる地・北陸へ嫁いでいった。
 結婚式前夜は、家族四人水入らずで最後の時を過ごした。富山県氷見(ひみ)市のおいしい魚に舌鼓を打ちながらの感無量の一夜だった。式の当日、娘は真っ白いウエディングドレスに身を包み、主人と腕を組んで一歩、また一歩…ゆっくりとバージンロードを進んでいった。主人は緊張で顔がこわばっていたが、無事、花婿さんのところまでエスコートして大役を果たした。
 披露宴では二人の誕生から現在までのビデオが上映され、幼かったころの娘が脳裏を駆けめぐり、思わず涙が出た。小さいときからやさしい子だった。私ががんで苦しんだときも、やさしく私の心を癒やしてくれた。祝辞をいただいた方々も、「やさしい人」「親切で笑顔がとてもすてきな女性」と、声をそろえて言ってくださった。この地でも、そのやさしさと笑顔ですてきな友達をたくさんつくってほしいと願った。
 翌日、JRに乗って富山を後にする私たちにホームでちぎれんばかりに手を振る娘の姿を見て、また涙が出てきた。「絶対に幸せになるのよ。婿殿、娘のことをよろしくよろしくお願いしますよ!」