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中国新聞記事クリップ

2006/3/16 朝刊記事

田舎暮らし 魅せられて
広島の女性向け 島根・邑南の「瑞穂の味体験」ツアー

昨年参加、移住した高市さん
25・26日の交流「笑顔で恩返し」

 新酒の利き酒や郷土料理の手ほどきなどに広島都市圏の女性を招く一泊交流ツアー「瑞穂の味体験」が25、26日、広島県境の島根県邑南町の瑞穂地区である。昨年参加した感激で広島市佐伯区から同町に移り住み、伴侶も得た高市(旧姓角田)典子さん(30)は今回、地元側の受け入れスタッフに加わる。(石丸賢)

 「ヤマメをくしに刺して焼くのも豆腐作りも初体験で新鮮だった。笑顔でもてなしてくれる地元のお母さんたちの優しさもごちそうで」。高市さんは懐かしげに一年前を振り返る。
 短大を卒業後、「フリーター同然」だった。働きながら滞在できるワーキングホリデー制度で渡ったニュージーランドの魅力を知り、日本で稼いでは渡航する繰り返し。同居の両親に「20代のうちに自分の道を見つけて、親元を離れろ」と言い渡されていた。

あこがれが形に

 2005年2月、新聞で見つけた邑南町での酒造り体験ツアーに参加。漠然としていた、田舎暮らしのあこがれが形になった。翌3月に「瑞穂の味体験」で同町を再訪。夜の交流会で、三十路(みそじ)前で人生の目標が見えない不安、結婚願望などを漏らすと、地元女性が親身に受け止め、仕事も住宅も探してくれて4月には転居した。
 「田舎って、さげすむ言葉だと昔は思っていた。今は違う。田舎にこそ大切なものがあるから、自信満々で使いたい」。勤め先の買い出しに通った産直市で専業農家の高市宗徳さん(36)と出会い、今年1月に結婚。自宅前に広がる大根畑も、トマトなどを作るハウスも今は雪をかぶる。「夜は真っ暗で静かで、満天の星」。広島時代は夜、音楽を聞き続けていないと眠れなかった。
 「味体験」は05年、邑南町観光協会瑞穂支部が始めた。収益事業を強化するため、商品開発や田舎ツーリズムのモニターとして女性客をターゲットに選んだ。同支部事務局の寺本英仁さん(34)は「高市さんの定住は希望になった。田舎暮らしが実は宝物なんだと地元の人間も再認識できる場にしたい」と話す。

牛汁やそば打ち

 今回の「味体験」では、地元の主婦たちでつくる「瑞穂郷土料理研究会」(富永睦恵代表)が石見和牛の牛汁やコイこく、そば打ちなどの郷土料理づくり体験を指導。宿泊先の久喜林間学舎で酒風呂を楽しむほか、町内の蔵元「玉櫻酒造」やドライフラワー工房・喫茶「むらび」の見学もある。
 高市さんは「昨年、お母さんたちが出迎えてくれた時の笑顔が忘れられない。だから今年は、私が笑顔で恩返ししたい」と張り切っている。
 参加費1万2千円。先着順で女性20人を募る。参加者向けには、JR広島駅新幹線口と結ぶ送迎バスが出る。

フリーダイヤル0120(83)0218=みずほスタイル。