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2006/3/12 朝刊記事
熟年離婚
危険度確かめ さあ円満
シニアルネサンス財団HPが好評
「夫に内緒でへそくり」「妻と金銭感覚違う」→要注意
悪い判定でも改善は可能
「熟年離婚」の危険度を、シニアルネサンス財団(東京都)がホームページ(HP)で判定している。狙いは、あくまで「夫婦和合のためのポイント伝授」で、離婚の勧めではないんだとか。お宅は大丈夫ですか?(石丸賢)
「そうそう、離婚後に備えてためている人が多いのよ」。広島市内で離婚談話室を開くサークル「アクエリアス」の世話人、井田宏子さん(80)=西区=は設問の一つを指さした。〈夫は私のへそくりには全く気づいていないようだ〉 夫用と妻用の判定表には、それぞれ15のチェック項目が並ぶ。夫用の設問は〈妻の外出先をいちいち訊(き)かない〉〈たまには女性誌も読んでみる〉、妻用は〈夫は私がいないと下着がしまってある場所さえわからない〉〈私が体の不調を言っても夫は無関心だ〉といったふうだ。
15問にイエス、ノーで答えて判定ボタンを押せば、〈熟年離婚・危険度…20%です〉と出る。併せて「(夫は)もう金の成る木ではありません。思い切って言いたいことを言ってください。夫婦喧嘩(げんか)もコミュニケーションとして大切」などの助言も付いてくる。「夫婦で答えを見せ合えば話も弾むはず。手遅れにならないように30代、40代でもやってみるといいですね」と井田さん。
「熟年離婚」危険度の判定は、同財団の事務局長、河合和(やまと)さん(59)の発案。「2000年ごろかな、夫の定年後を悲観する電話相談が目立ち出した」
「3年後、夫が定年を迎える。ずっと家にいると思うと眠れない」「夫は週末の私を真の姿と思い込んでいる」。週末だけ従順な妻を演じ、平日に趣味や生涯学習、友達付き合いで羽を伸ばしてバランスを取っているのに、「365日演じ続けるのは無理」という叫びだった。
危険度判定のアクセスは年々増加。テレビドラマ「熟年離婚」放映中の05年11月には、年間1万件だったアクセス数が2カ月間で3万件を超え、HPがパンクした。
「問題の根っこは男の自立。生活者として未熟だから、『ぬれ落ち葉』『ワシも族』と妻に疎まれる」。HPに併載の「自立度」判定表も、河合さんのお薦め。「妻も早合点は禁物。定年まで勤め上げるのは並大抵じゃないし、未知の良い面が夫にもきっとある。散歩やごみ出しを糸口に、地域デビューの場にうまく誘ってあげて」と話している。
同財団のHPは、http://www.sla.or.jp/
≪熟年離婚・危険度チェックの主な質問≫
【夫用】
・女性が集まるとくだらない話ばかりしている
・私は良い夫だ
・男は外で働き、女は家を守るものだ
・定年後は「余生」だと思う
・妻とは金銭感覚が合わない
・私の好物が食卓に並ぶことはめったにない
【妻用】
・夫には言いたいことがあってもけんかになるのが目に見えているので我慢する
・子どもや孫のためにする料理は楽しいが、夫と2人分の食事をつくるのはつまらない
・「友達夫婦」にあこがれる
・夫はおだててこき使うべきだ
・友人との旅行は楽しいが、夫と2人での旅行なんてまっぴらだ
・夫との共通の話題は子どもや孫のことしかない
「負担増」知り 妻ため息
広島で法律セミナー
ブームのようにも語られる「熟年離婚」。法律面から冷静に考える集いが7日、広島市中区の市女性教育センターであった。30―70代の男女15人が意見を交わすうち、見えてきた現実とは―。
仕事一筋、妻との間の溝にも気付かず、定年と同時に離婚を言い渡される夫…。テレビドラマ「熟年離婚」が描いたかわいそうな夫像に、講師の弁護士飯岡久美さんはまず異論を唱えた。「熟年離婚で本当に大変なのは女性の方。経済的な深刻さを考えると男性の比ではありません」
離婚による財産分与は夫婦で築いた財産が対象。夫の実家に長年住んでいても、その住居は財産分与の対象にならない。2007年度に始まる「年金分割」も、08年4月以降に掛けた年金を二分割する制度。それ以前の掛け金分割には、夫の合意が必要なのだ。「よくよく考えないと」。飯岡さんの解説に、ため息が漏れた。
ローンが残る家に暮らす熟年夫婦をモデルに、財産分与の計算も実習。「へそくりをしとくんだった」「この年齢まで我慢したんだから、もう離婚せん方が得よ」。冗談に包み、後悔やあきらめの声も飛んだ。
参加した主婦(62)=東区=は「現実を知り、参考になった。できれば結婚前に学んでおくべきだったわね」と笑顔で話していた。(森田裕美)

