HOME > 仲人のプロ・池田裕子さんのコラム
仲人さんは、間もなく次のお見合いの話を持ってきてくれた。
今度お見合いするリコちゃんは自営業の娘さん。今回は、双方の母親も同席することになった。
お見合いの日、母親同士は気が合ったようで、途切れなく喋っている。
ユウスケは「母さん、しゃべりすぎだよ」とハラハラしていた。このままじゃ、リコちゃんと話す時間がなくなってしまう。
でも、そこは、仲人さん。
「お二人になった方がよくお話ができるでしょう。一緒に外に出られたら?」とうながしてくれた。
リコちゃんは、とても明るくて話し上手だ。
自分の好きなキャラクターの話から、ユウスケのクルマのアクセサリーの話、そして旅行の話と、次々話題が広がって楽しい。
気がついたら、夕方になっていた。
リコちゃんが「午後8時くらいまで大丈夫」と言うので、二人でパスタを食べることにした。
食事の間も、リコちゃんの話題は尽きることがない。
おいしいフランス料理の話、海外旅行の話、宝くじの話・・・。華やかな話題が続く。
ふと、ユウスケは思った。「こんな生活をしてるなんて、リコちゃん、小遣いをどのくらい使ってるんだろう」
その時、ユウスケの心を見透かしたように、リコちゃんがたずねてきた。
「ところでユウスケさんのお給料はいくらですか?」
ドキッ! ユウスケの給料でリコちゃんに華やかな生活をさせてあげることは不可能だ。
でも、リコちゃんはユウスケの収入を聞いても、まったく気にする様子はない。
「すごーい! 私のお給料の倍だぁ」と、うれしそうだ。
「私は親と同居しているので食費や家賃がいらないでしょ、だから給料が全部お小遣いなの」
ユウスケは、少し不安になった。
「リコちゃんと話すのは楽しいけど、結婚して僕の給料でやっていけるだろうか。
第一、リコちゃんは、ボクの給料でどんな生活ができるか、考えているのだろうか」
その夜、仲人さんから「先方から交際していただきたいと言ってこられたけど、ユウスケさんはいかが?」と打診があった。
少し迷ったけど、ユウスケは断わることにした。
「どうも、ボクとは金銭感覚が違うような気がします」
なかなかうまくいかないものだな。
池田 裕子さん プロフィール
夫の広い交際から、結婚の相談を持ち掛けられることが多くなり、一念発起。
(有)快適情報社を設立し、「心と心を結びたい」をキャッチフレーズに、真剣に結婚を望む人の出会いの場を創造している。
ベースは福山市だが、行動範囲は西日本全域に及ぶ。


