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縁結び

縁結び

結納から結婚式と、メグミはフワフワと雲の上を歩いているような気分だった。
みんなが笑顔で「おめでとう」と言ってくれて、まるで、自分が物語の主人公になったような、それまで味わったことのない気持ちだった。
新婚旅行で、それは最高潮に達していた。
知っている人が誰も居ない土地で、アキラさんと2人だけで過ごした時間は、夢みたいだった。
「でも、ここから2人の現実の生活が始まるのよね」
メグミは、実家へ向かうタクシーの中で自分に言い聞かせた。
まず、アキラさんの実家に立ち寄って一休みしたあと、メグミの実家へ寄り、世話人さんのお宅に挨拶に向かった。
「少しゆっくりしてからにしたら」と実家の母は言ったが、東京で新しい生活を始める前に、きちんとしておかなければならないことがある。

「おかげさまでメグミと出会うことができました。
ありがとうございました」と、アキラさんが世話人さんにお礼を言う。
その気持ちは、メグミも同じだ。
「お見合いに対する不安もあったけど、世話人さんが間に立っていろいろアドバイスしてくださるって、気がラクですよね。おかげさまで、アキラさんのことだけをしっかり見ることができました」
「ほんと、いいご縁が結べました。
私の方こそ、うれしいわ」と、世話人さんも笑顔だ。

仲人さんへのご挨拶から帰って、メグミのご実家の方で用意した嫁菓子を持参して、アキラさんの実家のご近所に結婚の挨拶をしながら回る。
「新しい家庭を持ったことを、ご近所の皆さんにもお知らせしておくことは大事なのよ。
東京でも、ご近所へのご挨拶回りを忘れないでね。みんな、ご縁があってご近所同士なのだから」とアキラさんのお母さんがメグミに言う。
「ああ、そか! アキラさんと私が結婚できたのもご縁だけど、ご近所も友だちも、みんなご縁なのよね」メグミは、お母さんの言葉を心に刻み込んだ。

アキラさんとのご縁はもちろん大事だけど、2人の周囲の人々とのご縁を大事に、東京での新生活をスタートしよう。
メグミは、アキラさんの手を強く握った。<終わり>

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池田 裕子さん プロフィール

夫の広い交際から、結婚の相談を持ち掛けられることが多くなり、一念発起。
(有)快適情報社を設立し、「心と心を結びたい」をキャッチフレーズに、真剣に結婚を望む人の出会いの場を創造している。
ベースは福山市だが、行動範囲は西日本全域に及ぶ。